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明日も来たい !行きたい!行かせたい! そんな魅力あふれる学校、熊野市立神上小中学校

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 もっと知りたい!神川町 (伝説・説話等)

淵(雨滝)伝説    


 
神川町の隣町、育生町赤倉にある「雨滝」には「アメノウオ伝説」が語り伝えられています。
 

  <雨滝>
  
 熊野市は峻嶮な山が多く、豊富な雨量も手伝ってか有名無名の滝が点在している。この奥にある雨滝は、様々な樹木に覆われ、滝つぼに清らかな水をたたえている。ここはまた、雨乞いの地でもあり、日照りが続くと村人が寺の鐘を滝つぼにつけて祈祷したという。                 
                       (熊野市案内板より)

『アメノウオ伝説』 

 昔、金山から漁師が雨滝へアメノウオを獲りに行っていた。ある日、漁師がそこに来て弁当を開いて食べていたところへ旅の僧が現れて、ここでアメノウオを獲るのをやめるように頼んだ。そこで、漁師は僧に弁当の粟飯を与えて、獲らないと約束し、僧は安心して姿を消した。

 そのあと、漁師が釣りをすると、大きなアメノウオが釣れた。漁師は大いに喜びその腹を割いてみると、中には粟飯がたくさん入っており、さきの僧は雨滝の主であるアメノウオであった(長井)という。

〈また、同じ伝説として、次のような話が伝えられている。〉

 
 神の木の男2人が、白髪鵜という老練な鵜をつれて、この滝つぼに住む大アメノウオを捕ろうとした。そこへ1人の僧が現れて鵜を入れることだけはやめてもらいたいと嘆願した。とかくするうち腹も空いてきたので、男たちは持参の粟飯の弁当をひらき、僧にも振舞ったが不思議にもいつのまにか僧の姿は消え失せていた。 

 2人の男はこれ幸いと早速同伴の鵜を淵に入れたが、しばらくすると、一天にわかにかき曇って物凄い雷雨となったので、2人の男は大いに驚き、青くなって逃げ帰った。

 翌日行ってみると、滝壺には伴の鵜と長さ三尺五寸にもあまる大アメノウオが死体となって浮いていた。アメノウオの腹を割いてみると昨日の粟飯が入っていた。昨日の僧は雨滝の大アメノウオの化身であった。


(「紀伊 熊野市の民俗−育生町、神川町編−大谷大学民俗学研究会編より)    
        


※アメノウオは熊野川の上流地域で獲れるアマゴの別称。甘い(美味い)魚だからとする説や雨が降り出すととたんに釣れ出すことからアメゴともいわれたり、アマゴの語源になったとする説などあるそうです。  




 <雨滝の滝つぼ>
  
 
雨滝の案内板がある駐車スペースに車を止めて、見晴らし場への階段を上ると、そこから滝つぼにごうごうと流水が落下する光景が眼下に見えました。
 滝つぼは周囲の樹木で囲まれ、深緑色で透き通って見えました。淵は深暗緑で底は見えず、今にも雨滝の主が出てきそうなそんな雰囲気さえ感じられました。

 

 

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